グラスと落し物の関係-HTML編

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序章……どれだけ待てば目当ての人物に出会えるのだろうか。私は朝の六時からこの街を駆けずり回り、夜になってこのポイントを見つけた。待ち人はいつ現れるか分らない。だが、そろそろ私の望む人物が現れてもおかしくは無いはずだ。

 私のやり方がおかしいのか? いやちがう。たぶん私は神から見放されているに違いない。元々この仕事を始めたのもリストラが原因だし、月明かりが届かない繁華街を、あてもなくさまよう運命も神から下された判決と受け取れる。

 いやこれもちがう。その証拠に、目の前に見える街の風景は普段どおりではない。この時間帯であれば酔っ払った中年男性どもが千鳥足で私に近づきながら微笑みを向け、軽く右手を上げるはずだ。その光景が今日はまったく無い。

 おっ! あの手を上げる仕草は客だ。やったぞ、三十分以上粘ってやっと客を見つけた。あれっ、あっ、あー、なんてこった、あのやろう。横の路地から飛び出して私の客を横取りしやがった。いったいどこのタクシー会社だ? たしか、あの鳥が羽ばたくマークは最近出来たタクシー会社だ。

 やっぱり今日の私には悪霊が憑いているのかも知れない。なにしろ乗務開始からの売り上げが一万円に届いていない。こんなに売り上げの少ない日はこの仕事を始めてから経験した事がない。これでは恥ずかしくて社にも帰れない。

 しかたない、そろそろ移動しよう。いつまでも同じ場所に居ると警察がうるさいからな。ちょうど喉も渇いたし、缶コーヒーでも飲むか。このあたりで自動販売機が有るといえば。あれっ、あの車はうちの会社のだな。誰が乗務しているんだろう、あの横顔は山岡か。

「おい山岡、今日の景気はどうだ?」「景気悪そうだな、篠塚。俺はもうじき三万円、超えるよ」何だよ、嬉しそうな顔して、親指を立てちゃって。「ほー、三万円か、景気いいな。私なんか最悪、まだ一万円も行ってない」「それはそれはご愁傷さま。篠塚は狙い方が悪いんだよ、この時間帯だと、バスや電車の最終便が出る頃だろ。乗り遅れた人を狙わないと」

 そうか、最終便に乗り遅れた人物か。そうだよな、今まで気づかなかった。そうと分れば私も乗り遅れた人物を狙うか。バスセンターに行って時刻表をチェックしよう。おっと、その前に小便、小便と。客を乗せると出来ないしな。

 面倒くさいな、そこの茂みでするか。どうせ夜の公園だし、このあたりは人通りが少ないし……あれっ、何か落ちている……財布? 間違いない財布だ。誰かの落し物だろう、いくら入っているんだ? 五、六、七……十万円? 間違いない十万円、ちょうど入っている。

 免許証とか身分証明書とか、あるいはクレジットカードなんかは……入ってないな。これでは誰が落とし主か判らないな。……ネコババ? そうだよ、正直に届け出たり、落とし主を探したりする必要があるか? 世の中にはもっと悪い事をしている奴はいるし、疑惑の多い政治家もたくさん居る…次のページに続く

小説好きになった理由

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 小説好きになった理由、と言うのがまったく私自身分らない。たしかに中学生の頃は授業が終わるとクラブにも行かず、さっさと帰宅し本屋に直行、というスタイルが多かった。もちろん本屋の主は私の煙たがっていた様子だが、なにせ当時は満足な小遣いを頂いておらず、欲しいと思っても8割は店頭で読みつくし、残りの2割程度はさすがに買っていた。

 だが、それが小説好きになった理由とは考え難い。というのもその時点で既に活字が好きだった事になる。そうじゃなければ、本屋に小説を求めていく理由が見当たらない。そこでさらに自分自身の記憶をたどっていくと、それとなく思い当たる節を思い出した。それは兄が親に買ってもらっていた、科学と学習という授業の補助的な役割を果たしていた学習教材である。

 兄が買ってもらった学習本を読み終えるとそのあたりの床に(というか昔だから当たり前の状況でしたが)ポーンと、放り投げていた。4歳違いの私は兄がどんな本を読んでいるのか興味を持ち(本当に興味を持ったのはどうかは不明だが)未知なる世界に触れるべく、4歳年上用に作られた学習教材を読みふけっていた。

 当時の記事で今でも鮮明に覚えている内容がある。それは太陽が将来、膨張していき、最終的には爆発して消えていく、という内容であった。もちろんこの理論は今でも正統派の扱いを受けているようで、間違いでは無さそうである。だが、本当に爆発するのは私の人生の何億倍もの期間(正確な時間ではない)が必要とされている。だが、この記事を読んだときの興奮と、驚きと、将来に対する不安、これこそが私を活字好きにさせた一番の原因かも知れない。

ウソを書けるから楽しい

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 さて、私が小説を書くようになった理由を述べてみようか。はっきり言うと現金である、小説を書いて何処かの文学賞に応募し、受賞すれば、お金(収入)になるような、そんな風に思って書き出した。だがその結末は小説ではなく、ウェブ用の記事を書くことになったのだが、実を言えば小説を書きたいと言う気持ちは今でも私の頭の片隅に残っている。

 その小説創作に対する気持ちで一番の理由というのが「ウソを書いてもまったく問題がない」という点にある。もっと過激な表現をすれば「ウソを書くことが楽しい」という気持ちである。例えばネット上の記事を書く場合には、正しい事件、実際に起こった何か、を元にそれを忠実に再現する必要がある。言い換えれば専用の家庭教師に知恵を授かっているのと同じ、と考える事ができる。

 だが、小説の場合には、幾ら嘘を書いてもまったく問題は起こらない。むしろ読者の立場で言えば、過激な嘘の方が面白くて、さらに物語りにのめる込めるような、いかにも本当に起こった事実のように感じさせるような、小説を好むのである。だから近い将来、時間的な余裕が生まれたら、自分自身の世界を、独特な表現で、創作したいと考えている。そんな訳で小説を書く様になったが、創作に興味をもたれた方は小説 書き方を読んで下さい。少しぐらいは役立つと思います。

 ところで小説とは関係ないのですが、ネット上の知人を紹介しましょう。とはいっても小説に関係がある方ではなくウェブサイトを運営されている方ですが、ホームページの作成に関して、時折相談に乗っていただいている方です、ウェブの内容は…結婚式場と成っており、東京・大阪・名古屋・横浜など大都市圏をはじめ、全国で人気を集めるチャペルやレストランでのウェディングをご紹介、六輝カレンダー、引き出物などブライダルに関する情報を記載されています。

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